虜
不思議なご縁のある一冊。藤田宜永さんの「虜(とりこ)」。
その昔、映画宣伝会社で仕事をしていたころ、邦画「笑う蛙」(平山秀幸監督)という邦画の宣伝担当になったことがあります。原作がまさにこの「虜」で、宣伝活動を通して藤田さんともお会いする機会がありました。
舞台はわたしが現在住む横須賀市秋谷。以前宣伝をしていたころは、週末を過ごすために月に何回か出かける程度だったから、よもや最終的に住むことになるとは思っていませんでした。それでも、描かれている街の様子が分かってとても嬉しかったのを覚えています。
そしていざ住むようになってから読み返してみて、更に土地勘がついたので嬉しさ倍増しました。そうそう、秋谷にはなぜか石材屋が多いんだよね、とか、海の反対側は急坂のある山なんだよね、とか。
犯罪を犯して逃避行のさなか、隠れ家として選んだのは秋谷にある妻の父親の別荘。朽ち果てた別荘には誰も寄り付いていないと踏んで来たら、実はまだ婚姻関係にある妻が住んでいた。次の逃避先が決まるまでかくまってほしいと頼み、不思議な共犯関係になったふたり。妻には新しいパートナーがいて、彼は納戸に空いた節穴から彼らを盗み見する生活を余儀なくされることに。そこで彼が見たものは… というのが話の大筋だけど、エリート銀行マンから成り下がった夫が妖艶になった妻に抱く複雑な心境がなんとも言えなくおかしい。
映画では長塚京三さんと大塚寧々さんが夫婦役で、妻の新しい彼氏が國村隼さん。長塚さんがしがないヨレヨレの夫役を演じていて、クールで色っぽい妻を大塚さんが演じていてまさにぴったりで、思わずおかしくてくすっと笑ってしまう。
宣伝活動の一環で原作者である藤田さんのインタビューをいくつかセットした際にお話しましたが、肩まで伸びたロングヘアに超細身のジーンズにくわえ煙草で現れた藤田さんはとてもチャーミングでした。「俺はよー、クラバーでさー、昨日も六本木でよー、今度行こうよ!」…話しだしたら止まらない。「あの小池真理子さんのダンナ様」という先入観がガラガラと崩れました(笑)。奥様のことが可愛くてしょうがないんだ、というのがありありと分かりました。
ちなみに、藤田さんと小池さんは一体どんな夫婦なんだろう?と興味がある方にはこちらをご参照。「夫婦公論」
ひとつのお題について二人が別々に書いているエッセー集、まさに筆合戦。筆の上では完全に小池さんが男らしくリード、藤田さんは息を切らして小池さんを追いかけている感じがまたおかしい。この絶妙なバランスがステキなカップルであるヒント?これだけ夫婦で筆を持って自分をぶつけられるのはすごいというかウラヤマシイ。山田詠美さんの解説もまた良し。
虜・夫婦公論ともに
★★★★★
その昔、映画宣伝会社で仕事をしていたころ、邦画「笑う蛙」(平山秀幸監督)という邦画の宣伝担当になったことがあります。原作がまさにこの「虜」で、宣伝活動を通して藤田さんともお会いする機会がありました。
舞台はわたしが現在住む横須賀市秋谷。以前宣伝をしていたころは、週末を過ごすために月に何回か出かける程度だったから、よもや最終的に住むことになるとは思っていませんでした。それでも、描かれている街の様子が分かってとても嬉しかったのを覚えています。
そしていざ住むようになってから読み返してみて、更に土地勘がついたので嬉しさ倍増しました。そうそう、秋谷にはなぜか石材屋が多いんだよね、とか、海の反対側は急坂のある山なんだよね、とか。
犯罪を犯して逃避行のさなか、隠れ家として選んだのは秋谷にある妻の父親の別荘。朽ち果てた別荘には誰も寄り付いていないと踏んで来たら、実はまだ婚姻関係にある妻が住んでいた。次の逃避先が決まるまでかくまってほしいと頼み、不思議な共犯関係になったふたり。妻には新しいパートナーがいて、彼は納戸に空いた節穴から彼らを盗み見する生活を余儀なくされることに。そこで彼が見たものは… というのが話の大筋だけど、エリート銀行マンから成り下がった夫が妖艶になった妻に抱く複雑な心境がなんとも言えなくおかしい。
映画では長塚京三さんと大塚寧々さんが夫婦役で、妻の新しい彼氏が國村隼さん。長塚さんがしがないヨレヨレの夫役を演じていて、クールで色っぽい妻を大塚さんが演じていてまさにぴったりで、思わずおかしくてくすっと笑ってしまう。
宣伝活動の一環で原作者である藤田さんのインタビューをいくつかセットした際にお話しましたが、肩まで伸びたロングヘアに超細身のジーンズにくわえ煙草で現れた藤田さんはとてもチャーミングでした。「俺はよー、クラバーでさー、昨日も六本木でよー、今度行こうよ!」…話しだしたら止まらない。「あの小池真理子さんのダンナ様」という先入観がガラガラと崩れました(笑)。奥様のことが可愛くてしょうがないんだ、というのがありありと分かりました。
ちなみに、藤田さんと小池さんは一体どんな夫婦なんだろう?と興味がある方にはこちらをご参照。「夫婦公論」
ひとつのお題について二人が別々に書いているエッセー集、まさに筆合戦。筆の上では完全に小池さんが男らしくリード、藤田さんは息を切らして小池さんを追いかけている感じがまたおかしい。この絶妙なバランスがステキなカップルであるヒント?これだけ夫婦で筆を持って自分をぶつけられるのはすごいというかウラヤマシイ。山田詠美さんの解説もまた良し。
虜・夫婦公論ともに
★★★★★
by akiyaseaside
| 2010-02-08 13:56
| Books and Movies
日々の暮らしとステラマリスからのお知らせ
by akiyaseaside
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
カテゴリ
ステラマリスアロマ
暮らし
食
お気に入り
子育て
Books and Movies
ひとりごと
旅
暮らし(東京)
引っ越し
家づくり
開業への道
タグ
サロンからお知らせ(141)アロマミニワークショップ(25)
イベント(22)
最新の記事
2019年4月の予定 |
at 2019-04-10 16:23 |
【海辺の教室】アロマ基礎講座.. |
at 2019-02-06 13:55 |
2019年1月の予定 |
at 2019-01-07 14:12 |
2018年12月の予定 |
at 2018-12-02 19:49 |
2018年11月の予定 |
at 2018-10-30 21:22 |
秋谷の秋展2018 |
at 2018-10-28 17:16 |
2018年9月の予定 |
at 2018-09-04 17:28 |
2018年7月の予定 |
at 2018-06-26 14:28 |
2018年6月の予定 |
at 2018-06-02 21:22 |
2018年5月の予定 |
at 2018-05-06 20:48 |
以前の記事
2019年 04月2019年 02月
2019年 01月
more...