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匂いの話

我が愛読の朝日新聞の特集で、新年から「探嗅」という連載があった。先日残念ながら終わってしまった(と思う)が、匂いにまつわるをエピソードで綴るというもので、アロマを志す人間としては非常に興味深く読んだ。

アロマの学校に行っていたとき、解剖生理学で嗅覚は人間にとって大変特別な感覚なのだと学んだ。他の感覚は知覚するとまず大脳新皮質(新脳)で認知し、それから大脳辺縁系(旧脳)に達する。一方、嗅覚だけは大脳辺縁系にダイレクトに達する。大脳新皮質は知性や知識を司るところで、人間が時を経て発達させてきた部分だから新脳。辺縁系は欲求や本能を司る部分で生物が古くから持っていた脳の部分だから旧脳と言われる。旧脳に訴える嗅覚は「無意識の感覚」とも言われ、新脳を経由しないため考えるよりも感情や本能によりストレートに関係する。そのため、カレーの香りがすれば「食べたいなあ」になる。ちなみに、その他の感覚(視覚の場合)では、A:目で「なにか」を見た→B:「あれは犬だ」(大脳新皮質)→C:かわいい(大脳辺縁系)という3段階を踏む。

旧脳には海馬という記憶を司る部分もあるので、街ですれ違った人の香りで昔の誰かを思い出したりもする。同じく視床下部という自律神経の中枢もあるので、香りによってリラックスできたり、気分が高揚・リフレッシュしたりする。
アロマはこの嗅覚刺激に多いに影響を受けるもの。わたしの場合、大好きな乳香の香りを嗅ぐと(視床下部が働き自律神経のうちの副交感神経に訴え)精神の安定に一役買ってるし、ミントの香りには(交感神経が高ぶり)頭がしゃっきりするのだ。

「探嗅」では様々なエピソードが紹介されていたが、とても気になったのは以下の2話。過剰な消臭ブームのために、自分がいつも臭いんじゃないかと思い込んでいる女性の話。消臭剤、デオドラントを体に振りかけて、ものすごい勢いで消費していく。自分の匂いが気になって外出できないため、当然失職。もう一つは、今の子供はどの匂いも「臭い」と表現すると書かれてあったこと。香ばしい、とか●●の匂いだ、と形容することができず、表現が乏しくなっているのだそうだ。それは消臭に敏感すぎる周囲の環境や、そのため「匂いのバラエティ」に遭遇する経験が少ないからなのだろう。ちょっと怖くなってしまった!

うちの娘はアロマポットで香りを焚くと何でもラベンダーだと思い込んでるフシがあり、確かにちょっと慣れない匂いに関しては「臭い」と言う。まだ5歳だから当然かもしれないけれど、感受性を育てるためにも今後「香育」は必要かも?
by akiyaseaside | 2010-01-14 14:49 | アロマ


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